マラウィ湖から届いた、芳醇な酸味とクラシカルな風味
かつて日本市場でも広く親しまれたタンザニアコーヒー。その豊かなボディと、甘さをともなう酸味は、長らく高い評価を受けてきました。今回ご紹介する「タンザニア AB Livingston」は、そんなクラシックな魅力を再認識させてくれるロットです。
ロット情報
- 産地:タンザニア 南部ムビンガ地域 ニアサ地区
- 標高:約1,750m
- 品種:ブルボン系
- グレード:AB
- 収穫時期:10月〜11月
- 精製方法:ウォッシュド(フルウォッシュト)/100%天日乾燥
タンザニアにおける品質の変遷と再構築
タンザニアのコーヒー産業は、長らくキリマンジャロの名で親しまれ、酸味とボディのバランスに優れた風味で知られてきました。しかし2000年代以降、小規模生産者による個別処理や乾燥方法の違いにより、仕上がりのばらつきが課題となり、ブレンド商品としての流通が主流となっていきました。
そのような中、近年は共同水洗設備(Central Processing Units)の整備により、ポテンシャルの高い土地の個性を活かしつつ、品質の安定化と向上が実現し始めています。この改善は、再びシングルロットに注目を集める契機となりました。
Livingstonロットの特長とテロワール
本ロット「AB Livingston」は、南部ムビンガ地域ニアサ地区、マラウィ国境に近いエリアに位置するAMIPCG(周辺最大規模の水洗工場)にて処理されたマイクロロットです。標高1,750mの冷涼な気候と、肥沃な火山性土壌、潤沢な降雨量が、チェリーの成熟をじっくりと促し、複雑な風味特性を育んでいます。
本ロットは、クラシカルなタンザニアコーヒーの再来ともいえる、芳醇なコク、フローラルな香り、フルーティな酸味が見事に調和した味わいを備えています。焙煎によっては、レッドチェリーやベリー系の風味、キャラメルのような甘さが感じられる仕上がりになるでしょう。
テロワールと精製技術の進化が結実した、タンザニア南部の最新ロットをぜひご堪能ください。