持続可能な生産を目指して
ブラジル・ミナスジェライス州の中西部に位置するセラード地区、その中でも標高約1,100mという高地に広がるのが「Fazenda Bau(バウー農園)」です。
この地は、雨季と乾季が明確に分かれた気候を持ち、コーヒー栽培において最も理想的な環境のひとつとされています。
太陽の恵みをたっぷり受けながら、栄養豊富な赤土に育まれるコーヒーの木々は、健康で力強く、完熟チェリーを実らせてくれます。
バウー農園では、カツアイ種を中心に栽培が行われており、そのチェリーは真紅に色づいた最も成熟したタイミングで丁寧に手摘みされます。
その後、パティオでじっくりと天日乾燥され、果肉除去・脱穀・選別などの工程を経て、伝統的なナチュラル・サンドライ製法によって仕上げられます。
このような丁寧な工程の積み重ねが、バウー農園の高品質なコーヒーの礎となっています。
従業員と共につくる理想の農園
農園主のトミオ・フクダ氏は日系二世であり、日本でのビジネス経験を経て農園運営に情熱を注いでいます。
特に人材育成に力を入れており、信頼のおける勤勉な従業員のみを雇用し、農園内には5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の精神が根付いています。
トミオ氏自身が毎日農園を歩き、木々の状態を丹念に観察し、持続可能な栽培のためのメンテナンス・管理を徹底しています。
農園の景観は常に整えられ、衛生的で美しく、まさに「人と自然の共存」を体現する場所となっています。
透明な生産プロセスと品質への信頼
バウー農園では、栽培から収穫、精選、乾燥、選別、そして輸出用パッキングに至るまで、全ての工程を一貫して管理しています。
この体制によって、現代の消費者から強く求められるトレーサビリティ(traceability)に完全対応しており、「生産者の顔が見える」安心感のあるコーヒーが実現されています。
一杯のカップの向こうに、バウー農園で働く人々の顔が浮かぶ。そんな思いを込めて、一粒一粒が丁寧に育てられています。
贅沢な特別製法:D.O.T(Dry On Tree)
バウー農園では、特別なコーヒーとしてD.O.T(Dry On Tree)製法によるロットも生産しています。
これはコーヒーチェリーを樹上に残したまま完全に乾燥させ、十分に熟成された実だけを収穫するという、大変手間のかかる贅沢な製法です。
チェリーは木の上で養分を吸収し続け、豊かな甘味を内に蓄えながら自然乾燥されていきます。通常の天日乾燥の工程を必要とせず、収穫後はそのまま木製の貯蔵庫で保管され、さらに熟成されます。
ただしこの製法は、木に大きな負担をかけるため、収穫後の樹木は約2年間休ませる必要があります。そのため、バウー農園では3年周期で区画を入れ替えながらD.O.T製法を実施しています。
この徹底した品質志向こそが、スペシャルティコーヒーとしての風格を裏付けています。
味わいと焙煎
このコーヒーは中深煎りで仕上げると、しっかりとしたコクとボディがありながらも、酸味は控えめで、まろやかで飲みやすいのが特徴です。
誰もが楽しめるクラシックな味わいに加え、香ばしさとクリーンカップが際立ちます。
「これぞコーヒー」と言えるような王道の魅力が詰まっており、日々の一杯を特別なものにしてくれます。
商品情報
- 原産国:ブラジル
- 地域:ミナスジェライス州 セラード地区 パトス・デ・ミナス
- 農園名:Fazenda Bau(バウー農園)
- 生産者:トミオ・フクダ
- 標高:約1,100m
- 品種:カツアイ
- 精製方法:ナチュラル
- 収穫時期:6月〜7月
- スクリーンサイズ:16UP
- 焙煎度合い:中深煎り(Full City Roast 推奨)